「ご供養は、特別な人だけのものじゃない」──おてら葬という選択
おてら葬という仕組みを始ようと思った一番の理由は、ご供養を、誰にとっても届くものにしたいという思いからでした。
近年、お墓やお葬式が“高級化”していく風潮があります。
格式や費用が優先されることで、「供養したい」という気持ちを持ちながらも諦めざるを得ない方が少なくないのが現実です。でも、そもそもご供養というのは、誰かの心が動くところから始まるものであって、それに“ふさわしさ”や“条件”は必要ないはずです。
だからこそ私たちは、ご供養を特別な人のものにせず、すべての方に届くものとして整えたいと考えました。おてら葬では、林泉寺の中で、ご遺体の安置からお通夜、お葬式、そして納骨まで、すべての流れを一貫してお引き受けしています。
関わる人、動く場所、必要な段取りがひとつにまとまっていることで、ご家族が今、目の前のご供養に集中できる環境が生まれます。
加えて、費用についてもすべて事前に明示しています。葬儀費用は25万円から、お布施は30万円。
金額の目安がはっきりしているからこそ、不安を抱えずに、大切な時間に向き合えるのだと感じています。
何をすればいいか、どうすればいいか。
その一つひとつに迷いが少ないということは、“後悔の少ない別れ”につながっていくのだと思います。
おてら葬は、「すべて整っているから選ばれる」ものではありません。“ご供養をしたい”という気持ちに、ただ静かに応えられるように作られた場所です。
形にこだわらず、けれども心が置いていかれないように。必要なものだけを、大切に揃える。
そんなお別れの形を、これからも丁寧に届けていきたいと思っています。